【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

社長室に入ると、応接のソファには高城さんと父が向かい合って座っていた。

大翔が声をかけると、父はゆっくりと振り返る。

そして、大翔の背後にいる私の姿を認めるなり、血相を変えて立ち上がった。

「どうして黙って出て行った! それに──その男とは離婚したのではなかったのか⁉」

 怒りに震える父の剣幕に、高城さんは思わずうろたえる。

 私は一歩踏み出し、父を真っすぐに見据えて告げた。

「お父さん。私は大翔と離婚しない。そして、もう二度と実家には帰らない」

 震えを押し殺しながら、はっきりと言い切った。

 言い切った私に、高城さんは驚きながらも感動したように目を見開いていた。

けれど父には、逆に怒りの火に油を注いでしまったらしい。

「何を勝手なことを!」

 カッとなったお父さんが手を振り上げる。

(ぶたれる……!)

 反射的に瞼を固く閉じたが、衝撃は来なかった。

おそるおそる目を開けると、大翔がその手を掴んでいた。