【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

「暴走……?」

不思議そうに見上げると、大翔はすべてを包み込むような穏やかな眼差しを向けてきた。

「骨折したら歩けなくなるだろ? 心だって同じなんだ。どんなに強い人間でも、どんなに理性では理解していても、正しい行動がとれなくなる。屈強な男だって、骨折してるのに根性で歩けなんて言われたら無理なのと一緒だよ。だから捺美は悪くない」

そう言って、大翔はゆっくりと息を吸い込むようにして続けた。

「俺が、これからもずっと捺美を守り続ける」

 強く抱きしめられて、涙がこぼれた。

突然出ていった自分を、彼はきっと怒っていると思っていたのに。

こんな私を許してくれるなんて、思ってもみなかった。

 私の居場所は、大翔のそばにある。

もう一人じゃない。私を愛してくれる人がここにいる。

 そう思うと、心の奥から温かさが広がり、力が湧いてくる。

 でも、大翔の優しさに甘えるだけじゃ駄目だ。

 私自身が向き合い、自分の手で呪縛を断ち切らなければ。

そうでなければ、また同じ過ちを繰り返してしまう。

「私……お父さんに、ちゃんと自分の気持ちを伝えたい」

「でも、もしまた『戻ってこい』って言われたら?」

 大翔の表情には、不安の色が濃く浮かんでいた。