【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

「……お前も、大変なんだな」

「君も、大変だね」

 互いに言葉を掛け合うと、ふっと肩の力が抜けた。

 俺は草の上に腰を下ろし、空を見上げる。

隣にちょこんと座った彼女の気配に、胸が妙に高鳴った。

「私はね、絶対に死なない。……私が死んだら、あの人たちが喜ぶから。悔しいから、意地でも生きる」

「お前、強いな」

 彼女の瞳に宿る色は、幼いのに不思議なほど深くて、哀しみを知る人間の光だった。

「生きていたら、きっといいこともあると思うの。だから私は、自分の力で幸せを掴むって決めたの。誰のためでもなく、自分のために頑張るの」

 その言葉が胸に深く突き刺さった。

(自分のために……頑張る)

 そんな発想はなかった。これまでは、周囲の期待に応えるために走り続けていただけ。

けれど幸せは与えられるものじゃない。自分で掴み取るものなのだ。

 目の前の小さな少女が、誰よりも大きく見えた。

「……俺、自殺はやめる。お前が頑張ってるなら、俺も頑張る」

「うん。それがいいと思うよ」