【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

けれど、相手の少女もまた、俺以上に大きな悲鳴を上げて飛びのいた。

 お互いに本物の人間だと気づき、バツの悪さを誤魔化すように、俺はつっけんどんに言った。

「……うるさいな。俺は人間だ」

「そんなこと、わかってるよ! そっちが大声出したから、こっちだって驚いたんでしょ!」

 少女はぷくっと頬を膨らませ、怒りを示す。

 青い小花柄のワンピースに麦わら帽子。

俺よりずっと小柄で、陽射しを浴びて光る瞳が印象的だった。

「お前、何年生だ?」

「え? 小学二年生だけど」

「俺は六年だ。……口を慎め」

 その言葉の意味がわからなかったのか、女の子はきょとんと首をかしげる。

まったく、これだからガキは。

「お前、こんなところでなにしてる。子どもが遊ぶ場所じゃないだろ」

「君だって子どもでしょ!」

「俺は六年生だ。ガキと一緒にするな」

「じゃあ、君こそなにしに来たの?」