【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

嫌われるのが怖くて反論もできなかったのに、あまりに大切にされていないと感じて、思わず言葉がこぼれた。

「なにを言っている。お前の幸せはここだろう」

 父の言葉に息が詰まり、声が出なくなった。

「……本当に、そう思っているの?」

 震える声で尋ねると、父は迷いなく答えた。

「当たり前だ」

 ああ、そうか。お父さんも、継母や継姉と同じだったのだ。

 私のことなど見えていない。

ここが幸せな場所だと信じ込み、疑いもしない。

どれほど私が苦しんでいても、罪悪感さえ覚えない。

 彼らにとってそれが常識で、正義で、生き方なのだ。

だから私は責められる。幸せを与えられているのに、なぜ我儘を言うのかと。