【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

「体調はずいぶん良くなった。捺美が戻ってきてくれたおかげだ」

 私の問いに、お父さんはほっとしたように笑みを浮かべた。

 私が泣いていたのを見ていたはずなのに、そこには触れない。

私の涙など、どうでもいいのだろうか。

「そっか……良かった」

 力の抜けた声でそう答えながら、心のどこかで自分がまだ父に期待していることに気づき、愕然とする。

「ずっと家にいなさい。父さんが捺美を養うから」

「ずっと……この家に? 私の自由は? 幸せは?」

 気づけば、口に出していた。