【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

『離婚しろ』

 その一点張りで、私の言葉には耳を貸してくれなかった。

 実家に戻った時点で、こうなることはある程度予想していた。

継姉から接触されたとき、戻らないと決めたのは、大翔と離れたくなかったからだ。

 それなのに──私は戻ってしまった。

実家に戻るということは、離婚を受け入れるのと同じ意味を持つのに。

 もう、覚悟を決めるしかなかった。

 私は離婚届に記入し、そっとテーブルの上に置くと、言葉も残さず家を出てきた。

 そして今、私はまた、縛られた生活に戻っていた。

 自分から天国から地上へ落ちてきたようなもの──どうしてそんな選択をしてしまったのか、自分でもわからない。

 それでも、お父さんは私にとって特別で、血の繋がった唯一の肉親だった。

捨てることなんて、できなかった。