【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

「社長の言葉に、迂闊にも感動してしまう日が来るとは」

「お前、俺をなんだと思ってる?」

 高城は悪戯な笑みを浮かべ、それから一転して仕事モードの真剣な顔に変わった。

「この問題を解決しない限り、社長の仕事効率は激落ちです。捺美さんにはぜひ社長のもとに戻っていただき、最強モード復活をお願いしたいところ。会社の利益に直結しますし、ひいては私のボーナスにまで……」

「はは、やっぱりお前はそういう奴だな」

 だが、その言葉が逆に力を与えてくれた。

 どんな壁だろうと越えてみせる。

 捺美を実家の呪縛から救い出し、心の奥に刻まれた傷さえも俺が癒す。

 待っていろ、捺美。必ず俺が救い出す。