【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

 その瞬間の捺美の顔──恐怖に怯え、血の気を失った表情は、防犯カメラ越しに見ても胸が締めつけられるほどだった。

 せめて、危害を加えられなかったことだけが、不幸中の幸いだ。

 さらに映像を追うと、その人物は毎日のように同じ時間帯に現れていた。

 ……捺美が外に出てくるのを待ち伏せしていたのだ。狂気じみた執念。

 帽子を深く被った女の顔は、俺の予想どおりだった。

 ──捺美の義姉、真由美(まゆみ)

現在は無職。時間だけは山ほどある。

 実を言えば、この親子の動きは結婚前から警戒していた。

 捺美が家に帰らなくなれば、一番困るのは継母と継娘。

 案の定、彼女たちは何度も会社に押しかけてきた。

 もちろん、捺美には知らせていない。

受付には「捺美は退職した」と伝えるよう徹底し、社内にも「個人情報を漏らすな」と通達を出した。

 社員が彼女たちに捺美のことを口にすることはなかったが──「社長の昔の恋人が復讐のために捺美を探している」という、根拠のない噂だけが広まった。