【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

「だろうな」

 そりゃそうだ、という感想しか出てこない。

 けれど──あの態度で売上を持ってくる理由も、なんとなくわかった気がした。

 生意気ではあるが、根の部分に素直さを感じる。

 もし捺美と本当に友達になったなら、彼女は喜ぶだろう。

そう思えるくらいには、信頼できる人間だった。

 桂木昌。なかなかの大物かもしれない。

「それよりも……」

「はい。捺美さんと桂木さんがランチをした日の防犯カメラ、すぐに確認させます」

「うん。その日以降の映像もだ。……探偵の張り込み人数も増やせ」

「社長はやはり、捺美さんは“あの場所”にいると?」

「ああ。正直、最悪のパターンだが……他に考えられない」