「なるほど。桂木さんと捺美さんは、友情を深めつつあった、ということですね」
「なんか言い方が重い……。ただ一緒にご飯を食べただけですよ」
「ちなみに、どんなお店に?」
「会社の近くの激辛ラーメン屋です。サラリーマンとか学生がよく並んでる人気店です」
有名な店だ。名前は知っていたが、俺は並んでまで食べる気にはなれなかった。
それにしても──見目のいい二人が行けば、さぞかし目立っただろう。
「かなり辛いと評判ですが……捺美さんの反応は?」
「『辛い、辛い』って言いながら涙と汗を流して、それでも笑ってましたよ。……やたら可愛かったですね」
桂木は女子なのに「可愛い」と表現した。
中身はおっさん気質なのかもしれない。
けれど──涙を浮かべながら笑う捺美を想像したら、胸がざわつく。見たかった。
なぜか妙な嫉妬心が込み上げてくる。
「……お店ではどんな話を?」
「別にたいした話はしてないです。内容も覚えてないです。ただ──」
「ただ?」
高城の目が鋭くなる。俺も息を飲んで続きを待った。
「なんか言い方が重い……。ただ一緒にご飯を食べただけですよ」
「ちなみに、どんなお店に?」
「会社の近くの激辛ラーメン屋です。サラリーマンとか学生がよく並んでる人気店です」
有名な店だ。名前は知っていたが、俺は並んでまで食べる気にはなれなかった。
それにしても──見目のいい二人が行けば、さぞかし目立っただろう。
「かなり辛いと評判ですが……捺美さんの反応は?」
「『辛い、辛い』って言いながら涙と汗を流して、それでも笑ってましたよ。……やたら可愛かったですね」
桂木は女子なのに「可愛い」と表現した。
中身はおっさん気質なのかもしれない。
けれど──涙を浮かべながら笑う捺美を想像したら、胸がざわつく。見たかった。
なぜか妙な嫉妬心が込み上げてくる。
「……お店ではどんな話を?」
「別にたいした話はしてないです。内容も覚えてないです。ただ──」
「ただ?」
高城の目が鋭くなる。俺も息を飲んで続きを待った。



