【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。



 目を覚ますと、大翔の腕の中にいた。

 その幸福感に胸が満たされながら眠りにつくなんて……なんて贅沢なことだろう。

 滑らかなシーツの感触。

 下着姿のまま眠るのは初めてで、こんなにも心地いいとは知らなかった。

 そして、大翔の筋肉質な体温と、いつものボディソープの香り。

 その全部が、くすぐったいほどの喜びに変わる。

 まるで離さないと宣言するみたいに、がっちりと肩を抱かれている。

 寝息を立てながらも、しっかりと腕の中に閉じ込められていた。

 眠っている横顔は、とても整っていて、普段より幼く見える。

 きめ細やかな肌に思わず惹かれ、指先でそっとつんと触れる。

(あ……起こしちゃった)

 ゆっくりと瞼が開き、目が合った大翔は頬を緩ませた。

「……イタズラしてたのか」

「イタズラじゃないよ。綺麗な肌だなって思って、つい触っちゃったの」

「捺美の方が、よっぽど綺麗だよ」