【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

 私が少し人より容姿に恵まれていたのは事実だ。

 けれどそれは同時に、目立ち、嫉妬を買い、「恵まれた人間は多少不幸でも構わない」という理不尽な論理を浴びることにも繋がった。

 もっと上手に人間関係を築けていたら、足を引っ張られたり、悪質な噂で陥れられたりしたとき、誰かが助けてくれたのかもしれない。

 けれど私は、誰にも心を開けなかった。

だから、誰も助けてはくれなかった。

 結局、自分で自分を守るしかなくて、頑なに人を寄せつけないことで生きてきた。

 不器用で、下手な生き方だとわかっている。

 でも、誰も正しい方法なんて教えてくれなかった。

理屈では理解していても、実際にできるかどうかは別の話。

 そんな私が──初めて人を好きになった。

どうして大翔を好きになったのか──理由を挙げようとすれば、きっと数えきれないほど出てくる。