【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

「捺美!」

 思わず大声を上げると、彼女がびくりと肩を揺らした。

「えっ、なに⁉ 私、料理で何か間違えた? さっきの砂糖、塩と間違えたとか⁉」

「いや、違う」

「じゃあなに? 怒ってるの?」

「怒ってない。捺美……」

 うろたえる彼女に近づき、真剣な眼差しで告げる。

「キスしよう」

「……は?」

「キスしよう。今すぐ」

「なんで?」

「したいから。捺美とキスしたい」

 捺美は目を瞬かせ、困惑の色を浮かべる。

 待ちきれず、『いいよ』と返事をもらう前に唇を重ねた。

 余裕なんてない。計算も、格好つけもできない。

 ――ただ、彼女を好きな気持ちが溢れて仕方ないのだ。

俺のことを好きじゃなくたっていい。

それでも、どうか側にいてほしい。

 嫌われたくなくて必死に気持ちを抑えているのに、どうしても堪えきれず暴走してしまう。

 そんな俺を、捺美はいつも優しく受け入れてくれる。