「へえ。でも厳しいんだろ? パワハラで女子社員を何人も異動させたって聞いたけど」
実際には佐伯に振られて異動を願い出たらしいが、あえて捺美には知らせない。
どうせなら『パワハラするなんて最低』とでも思っていればいい。
「そんなことない! 私、ずっと佐伯さんの下で働いているけど、パワハラなんて一度もなかったわ。むしろいつもフォローしてくれるの。たしかに仕事は多いけど、それは佐伯さん自身が大量の案件を抱え込んでいるからで……」
必死に佐伯を庇う捺美の姿に、営業事務の子たちが彼に惹かれていった理由が少しわかった気がした。
そして胸がざわつく。まさか捺美も、もう佐伯に……?
俺との結婚は契約でしかない。
彼女が貞操を頑なに守るのも、心の奥で別の誰かを想っているからかもしれない。
もしや、佐伯とすでに付き合っていて、『早く離婚しろ』と遠回しに仕掛けてきたのだとしたら――。
実際には佐伯に振られて異動を願い出たらしいが、あえて捺美には知らせない。
どうせなら『パワハラするなんて最低』とでも思っていればいい。
「そんなことない! 私、ずっと佐伯さんの下で働いているけど、パワハラなんて一度もなかったわ。むしろいつもフォローしてくれるの。たしかに仕事は多いけど、それは佐伯さん自身が大量の案件を抱え込んでいるからで……」
必死に佐伯を庇う捺美の姿に、営業事務の子たちが彼に惹かれていった理由が少しわかった気がした。
そして胸がざわつく。まさか捺美も、もう佐伯に……?
俺との結婚は契約でしかない。
彼女が貞操を頑なに守るのも、心の奥で別の誰かを想っているからかもしれない。
もしや、佐伯とすでに付き合っていて、『早く離婚しろ』と遠回しに仕掛けてきたのだとしたら――。



