【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

 俺の方が何歩もリードしているはずなのに、どうしてこんなにも胸の奥で闘志が燃え続けるのだろう。

「もう、今日はびっくりしたよ。オフィスにまで来るなんて。……で、なにしに来たの?」

「え? いや……」

 じゃがいもを剥いていた手が止まる。

 本当は、捺美の仕事姿をこっそり覗いていただけ。

 ――なんて正直に言えば、「二度と来るな」と叱られるに決まっている。

 ましてや佐伯との関係を疑って、なんて言ったら、ただの嫉妬深い男だと思われるだろう。

「佐伯って人が優秀だって聞いたから、一度見てみたくて」

「えっ!? だから佐伯さんと話してたの? てっきり……大翔が私を覗き見に来たのかと思っちゃった」

 苦笑いで返す。覗き見していたのは事実だが、肯定も否定もしていない。

「やだ、私、邪魔しちゃった。佐伯さんは本当に優秀な方よ。冷静で的確、決断も早いし効率もいい。不愛想で怖そうに見えるけど、本当はすごく優しいの」

捺美から佐伯を褒める言葉を聞けば聞くほど、俺の中での評価は逆に下がっていく。

……本当に東南アジアに飛ばしてやろうか。