「……は? そんな報告、受けてない」
「最近仕入れた情報ですから」
「なぜ俺に言わない!」
「奥さんに直接関係はないので。社長にまで上げる必要はないでしょう」
ぐうの音も出ない。たしかに、捺美とは無関係だ。
たしかにこれは、捺美とは無関係なことだ。
佐伯という男がモテすぎて不利益を被っていたのは気の毒だと思うが、仕事に支障はない。
「でもまあ……そんな人気の男と、二人きりで密室ミーティング。――社長、強力なライバル登場かもしれませんね」
高城が片目をつむって笑った瞬間、俺は口を開けたまま固まった。
「……お前、頭は切れるけど性格は悪いな」
「よく言われます」
涼しい顔で返すその態度が、ますます腹立たしい。
憎たらしいのに、妙に憎めない、くそっ。
「最近仕入れた情報ですから」
「なぜ俺に言わない!」
「奥さんに直接関係はないので。社長にまで上げる必要はないでしょう」
ぐうの音も出ない。たしかに、捺美とは無関係だ。
たしかにこれは、捺美とは無関係なことだ。
佐伯という男がモテすぎて不利益を被っていたのは気の毒だと思うが、仕事に支障はない。
「でもまあ……そんな人気の男と、二人きりで密室ミーティング。――社長、強力なライバル登場かもしれませんね」
高城が片目をつむって笑った瞬間、俺は口を開けたまま固まった。
「……お前、頭は切れるけど性格は悪いな」
「よく言われます」
涼しい顔で返すその態度が、ますます腹立たしい。
憎たらしいのに、妙に憎めない、くそっ。



