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颯霞とのお見合いの日から三日ほどが過ぎたある昼の日のこと。


七海はある任務を遂行するため、森の奥に隠れて存在している、大きな屋敷の前にいた。

門兵に用事を伝え、大きな門をくぐり抜ける。


ここへ来るのにはまだ慣れていない。厳格な雰囲気が漂う屋敷全体に気圧されるのはいつものことだ。


西洋の家の作りをしているこの屋敷は、いつもの綺麗さを保ったまま、何百年も存在し続けている。


私が屋敷の立派で豪華なドアを開こうとすると、それは勝手に開かれた。


ああ、長くここに来ていなかったせいで忘れていたけれど、ここには少数だけれども立派な執事が待機しているんだったわ……。


屋敷の中に靴を履いたまま入る。広い玄関の正面には、大広間へと続く長い廊下があった。

私はその廊下を通ることなく、螺旋階段を使った。その方があのお二人方のいる書斎に近いからだ。


書斎へと向かい、その扉の前で一つ深呼吸をする。ドアをノックしてから、こう告げた。