忘れられない恋

一方、

仁は呆然とベットの上に座り込んでいた。



他の誰かが自分の悪口を言ってると思うと、
悔しくて堪らない。


もっと悔しいのは、

してもいないことを相手の親に、

言われたことだろう。


仁の目から涙がこぼれ落ちた。



身に覚えのないことを言われ、

しばらく考え込む。


無理もないだろう。



これは全部デタラメな嘘。





母親の千里が思いついた嘘なのだから。


幸せそうにする結空を見て、

早く別れてほしかった。


ただ、

それだけの理由でこんな酷いことをしたのだ。



母親がするようなことではない。


だけど、血の繋がっていないお継母さんがついた嘘だと、私たちは気づけなかったのだ。



それから、

二人は何て言葉をかけていいか分からず、

メールや電話のやりとりがなくなった。