『……先に誓っておくよ、セシリー。だから、戻って来てくれ……ずっと待ってるから。いつになっても、どんな姿でも、お前だけを……』

 こんな私を心から信じ、約束してくれた。だから私も、このかすかな繋がりを手繰り寄せるように祈り続ける。いつか、再び彼の元へ戻れるように。

 今も心の中にいくつもある、彼の鮮明な表情を強く思い浮かべた時、ここに来て初めて変化が訪れた。かたわらにふたつの小さな光が現れ、寄り添うようにクルクル回り始めたのだ。

 言葉を交わせなくてもわかる。それは私が元いた世界で一緒に過ごした仲間たちだ。きっと彼らも大事な人を思い浮かべ、戻りたいと願ったのだろう。同じ目的地に向けて伸びていた繋がりが()り合う糸のように重なり、ひとつとなって彼らと引き合わせてくれた。

 今ならより強く確信できる。きっとこのまま進めば、皆の待つ世界があると。

(行こう……!)

 そして私たちはもう何度目かもわからなくなった、記憶を巡る旅に自らを投じた――。