「でも、頑張らなきゃだよね。私は小鳥遊先輩じゃなくて狙ってる風で好きな人に近づくことにする!!」

そう言って胸に手をドンと当てた馨はなんだか勇者のように見えた。




小鳥遊優雨…かぁ。

全く接点がない。

まるで実感が湧かない。

試しに近づいてみようかな。

そう考えた私は高校のC組がある場所に向かうため階段を上った。

階段を上って教室前にある曲がり角まで来た時、私は思わず足を止めた。

「知ってる?###っていう##がやられてるらしい」

何?なんて言ってるの?

「羨ましいよなぁ…##」

っ…声が近づいてくる。立ち聞きしてたって思われちゃうかも。

「女子に人気な態度なんだよあれが。女誑しってらつだよ。」

「不誠実な男だなー」

小鳥遊先輩のこと、な気がする。

小鳥遊先輩って友達いなさそうだな…

こんなにボロクソ言われててとても友達がいるとは思えない。