綱引きかぁ、ノリで綱引きって言ったのはいいけどさ。あんまり握力ないんだよね。はぁ。

「あ!千夏!!」
「姫華君!!綱引き?」
「うん!!敵同士だけど」

彼は、笑いながら言う。って、姫華くん、体力あるんだ。知らなかった。姫華って女の子っぽいけど触れたら起こりそう。だから、名前に1度も触れたことがない。

「おや?零回の元姫じゃありませんか。」
「あの?誰ですか?」

姫華君がめっちゃ冷静に言う。確か、勇気だっけ?優馬だっけ?玲太?潮?やばい、雷閃の、みんなの顔で零回のみんなの存在忘れてた。やばい。

「忘れたの?田中潮だよ。」
「んー、名前は聞いた時あるけど。」

あ、潮ね。玲太の犬。ヤバ、忘れてた。あー、忘れる位めっちゃ憎んでいたのか。忘れた自分を褒めたい。

「綱引き、お前めっちゃ苦手だろ?」
「黙れ。苦手を克服して何が悪い。」

潮、あんた顔面ぶん殴りたい。ついでに詩織も。てか、雷閃まとめてぶん殴りたい。