電話が切れる。まぁ、交渉してみるか。無理という覚悟で。

「総長。」
「どうした？千夏。」
「さっき、私の元総長だった暴走族に電話かけました。」

空廉さんが目を見開く。早いのはしょうがないもん。元総長だったことにも驚きなんだろうと思うけど。まぁね。凄いでしょ。

「あ、嗚呼。それで、どうなった？」
「いいよー。と言ってました。」
「じゃあ、丸だな。」

軽い。まぁ、丸ってことはOKってことでいっか。そう思った。56でも、あの暴走族は、めっちゃ強い。かなりって言っていいほど。

「ってな訳できょうは、解散だ。」
「うっす。」

皆が帰っていく。あ、返事出しとこ。

「なぁ、千夏。」
「はい？どうされました？」
「あんな男忘れろよ。」
「はい。」

なんの事だろ、恐らく零回の総長のことを言っているともわれる。あんな男忘れろ。命令形か、。忘れよと思っても忘れられない。あの男の睨む目が。