それを隠そうとしたから、私は了承を得て吸ってる相手だと思ったんだ。
「特別な血は、ものすごく甘い匂いを発する。人間にはわからないだろうけど、嗅覚が鋭いヴァンパイアなら一発だ。もし今後、学校で出血するようなことがあったら、すぐに水で洗い流したり、絆創膏で覆えば丈夫だから」
「うん、わかった」
なんだか、今までの自分と変わってしまうようでドキドキする。
「水野……俺と契約しないか?」
「契、約?」
さっきも要先輩がチラッと言っていたような。
「もしかしたら蓮水は、水野が特別な血の持ち主だと気づいたかもしれない」
「えっ、うそ……」
「記憶が消えないことはバレたんだろ?」
「た、たぶん……」
あのあとすぐに理都くんが来たけど、私の言動から、記憶が消えてないことはわかってるはず。



