今度こそバレちゃった……!
私が動揺したのと同じく、理都くんの手も緩んだようで。
その隙に立ち上がった要先輩は、ネクタイを整えながら理都くんの耳元に口を寄せた。
「理都の彼女?」
な、なんてことを。
オロオロする私をよそに、理都くんは淡々と答えた。
「そうじゃない」
そ、そうだよね。
こんな誤解されたくらいで動揺しないよね。
私と違ってケタ外れのモテ方をしてる理都くんには、きっとなんでもないこと。
「でも契約してんでしょ?」
「は?」
「だって噛み痕あったし、彼女も隠そうとしてたじゃん」
「それは……」
話の内容から、要先輩がヴァンパイアであることは確実な様子。
だけど、契約ってなんだろう。
この間、世羅くんにも言われてた。
「とにかく、彼女に指一本触れるな。いいな」



