とっさに謝ってくる要先輩。
ジンジン広がる痛み。
もしかして、切れちゃった……?
「大丈夫ですからっ」
それでも関わりたくない方が大きくて、逃げようとしたら、
「なんだろ、すごく甘い匂いがする」
鼻をひくひくさせた要先輩は、1回保健室の中を見渡して。
また私に視線を合わせた。
「もしかして……」
要先輩は、頬の傷に手を伸ばしてくる。
なにをするの……?
また触れられることにおびえた直後、要先輩の目が赤く光った。
ええっ、どういうこと!?
そして、私の目の前に手のひらをかざしたからさらに驚いた。
こ、この仕草は……。
えっ……。
まさか、要先輩もヴァンパイア!?
そうだ。絶対にそうだ……!
そうとわかったら、体中が恐怖に包まれた。



