それから数日後のお昼休み。
いつもの倍のスピードでお弁当を口へ運ぶ私へ、みーちゃんから声がかかった。
私の所属する保健委員は週に1回当番があって、今日は私。
そのために急いでお弁当を食べているのだ。
「うんうん」
モグモグしながらうなずくと、一緒にお弁当を囲んでいたいつものメンバーが色めき立った。
「いいなあ。保健室には要先輩もいるんでしょ?」
「役得だよね~。私も保健委員になりたかったあ」
目をキラキラさせる様子を見て、あ、と口が止まる。
……そうだ。すっかり忘れてた。
保健室には要先輩がいることを。
気づいた瞬間、ずーんと気が重くなった。
この間の意味深な要先輩の態度に、まだモヤモヤが残ってるから。
あの一件から、要先輩にちょっぴり警戒心を抱くようになっちゃったんだ。