特別な血……?
突拍子もないことを言われ、私はぽかんとした。
「まず、記憶が消せないこと。それと、血が……ものすごく甘いこと。そのふたつがそろっている人間は、Precious Bloodと言って、探したくてもそう簡単には見つからない、特別な血を持っている人間だって言われているんだ」
「な、なにそれ……」
声が震える。
私をまっすぐ見ている理都くんは、決して冗談を言っているわけでもなさそう。
だから、とりあえず冷静に問いかけた。
「ど、どうして私が?」
理都くんはゆっくり首を横に振った。
それは理都くんでもわからないみたい。



