極上ヴァンパイアは、彼女を溺愛して離さない


ちょっとどころじゃなくて、本当はかなり。

ヴァンパイアに吸血されて、またひとりヴァンパイアだというクラスメイトが現れて……。

たぶん今日の出来事は、生まれてからのビッグニュースベスト3に入るよ。


「俺が吸血衝動を我慢できればよかっただけなのにな」

「吸血、衝動?」

「ああ……今日も見ただろ。俺の目が赤くなったの」


教室に連れ込まれた直後のことだ。

「うん……」

「俺は今まで人間の血を吸ってこなかった。けど、この間水野の血を口に含んだことで、吸血衝動が起きたらしい。吸血衝動が起きて吸血せずにいると、貧血の症状が出るんだ」


そうだったんだ。

なんだか自己嫌悪。

理都くんがこれまで貫いてきたことを壊してしまったようで。


「実は……水野は特別な血の持ち主かもしれないんだ」

「へっ?」