「ここにいたら世羅になにされるかわかんないし、もう帰った方がいい」
「おーい、すごい言いがかりだなー」
世羅くんを気にしつつも、私はそのまま教室の外へ連れ出された。
繋がれた手が……熱い。
男の子と手を繋ぐのは、幼稚園生のとき以来かな。
一回り大きい骨ばった手は、私の手をすっぽり包んでいる。
私の熱とまじって、どんどん熱くなっていく手。
うわぁ~。
たぶん顔も真っ赤なはず。
見られたら困るから、うつむき加減に足を進めた。
しばらく無言で廊下を歩いたのち、足を止めて手を離された。
「……なんか、悪かったな」
夕日の差し込む人けのない廊下。
太陽の光もよく似合っていたけれど、物憂げなオレンジ色も理都くんによく映えている。
「ちょっと、頭が混乱中……」



