へっ?
契約、とは?
なんのことかちんぷんかんぷん。
首をかしげる私に向けられた世羅くんの瞳は好奇心の塊。
「世羅、余計なこと言うな。そういうんじゃねえ」
「違うの?」
「水野は記憶が消せないだけだ」
「うそっ! てことはもしかして……っ!」
もしかして……?
「世羅、それ以上言ったらコロス」
「ふわぁ~~い」
物騒な理都くんの言葉に、その先は聞けないまま。
「愛菜ちゃんの血、今度僕にもちょーだいね?」
笑ったその奥には鋭いキバが見えたような気がして、私は小さく震え上がった。
私、簡単に吸える人だと思われちゃった!?
「誰がやるか」
理都くんはそう吐き捨てると、私の腕をつかんだ。
そんな言葉に思わずきゅんとして、顔がブワッと熱くなる。



