「ごめんね? 急にカミングアウトしちゃって。あ、僕のこと怖くなった?」
世羅くんに聞かれて、反射的にふるふると首を横に振ったけど。
ヴァンパイアがさらにもうひとり目の前に加わったら、びっくりするに決まってる。
もしかして、こんなふうにヴァンパイアってたくさんいるの……?
「てか、愛菜ちゃんの血を吸うなんてズルい! 僕が吸いたいって言ってたのにー!」
ええっ!?
おそろしい言葉に私はギョッとした。
「だけど理都くんが人間を吸血するとはねー。どんな心境の変化?」
「世羅には関係ないだろ」
「理都くんのイジワルー」
ふたりの会話を横目に聞きながら、急いでボタンを留めてリボンを付けた。
「それよりさー。記憶も消さずに吸ってるってことは、もしかして契約しちゃったの?」
世羅くんの視線の先は私。



