私たちを見て驚いたように足を止めた人物は。
「世羅くん……っ!」
どこかでドラマのセリフでも練習していたのか、台本らしきものを手に持って。
タイミングが悪すぎるよっ。
だってこの状況……。
はだけた胸元……ほどかれたリボン……ただならぬ雰囲気が漂ってるに決まってる……!
「こ、これはねっ……」
慌てて弁解しようとした私をよそに、世羅くんはさらっと心臓が止まるようなことを言った。
「もしかして吸血したの!?」
ええっ!?
吸血って……。
「…………ああ」
あっさり認めた理都くん。
「うーわー、マジか! 理都くんもやっぱり、ちゃんとヴァンパイアだったんだね」
世羅くんはひょいっと机の上にお尻を乗せると、とんでもないことを口にした。
ちょ、ちょっと。



