理都くんに噛まれた痕だと思うと、なんだか恥ずかしい。
「じゃあ消すよ」
断りをいれて、理都くんが手をかざす。
さっき、私の目にかざしたように。
すると……。
「わぁ……ほんとに消えちゃった」
再び鏡に映し出された首には、傷痕ひとつ見当たらなかった。
と、理都くんが武者震いをひとつ。
「どうかしたの?」
「体がめちゃくちゃ熱くて」
「えっ、大丈夫!?」
「ああ、正常だ。吸血後に起きる反応で、ちゃんと血が俺のものになってる証拠だから」
「そ、それならよかった」
私の血が、理都くんのものに……。
なんだかくすぐったくてほっこりしていると、
──ガラッ!
勢いよく教室の戸が開いた。
「理都くーん!」
うわっ!
誰っ!?
私は慌ててブラウスの胸元を合わせた。
「おっと!」



