そんな彼は、制服のポケットに手を入れたままこちらを向いていて「ちょうどよかった」そうつぶやく。
え。ちょうどよかった……とは?
「あのさ」
窓に手をかけたまま、ぽかんと突っ立つ私に向かって歩いてくる。
ええっ……!?
あっという間に理都くんは目の前。
透明感のある白い肌に、彫刻のように整った顔。
見れば見るほど人間離れしてる。
理都くんがヴァンパイアだと言われても、疑わないはず。
……って、ほんとにヴァンパイアだったらどうしよう!?
「なんで俺のこと見てんの?」
み、見てるって?
また唐突に……。
文章の肝心なところが抜けていて、返事のしようがない。
「最近、俺のことジロジロ見てるだろ」



