「……ありがとな」
やがて理都くんの唇が首から離れて、私はようやく目を開けた。
「水野……なんか特別なもの食べてる?」
「えっ? ううん、べつに普通だと思うけど……。どうして?」
「いや……」
そう言って顔を背ける理都くんの顔は、また前みたいに少し赤くなっているように見えた。
……どうしたんだろう?
そのとき、力が抜けてふらっと体が横に倒れそうになった。
「あっ……」
「大丈夫か?」
とっさに理都くんに両手で支えられて、私は体を預けるようにもたれかかった。
自分の意志じゃなくて、そうせざるをえないほど体に力が入らなかったんだ。
「ご、ごめんね。なんだか、力が入らなくて」
おかしいな。なんだろう、これ。
体がふわふわして、頭がぼーっとするの。
「いいよ、俺に預けて」



