ヴァンパイアが貧血だったら、いったいどうなっちゃう?
「いいって……」
「ダメだよっ!」
「自分から吸われにいく人間がどこにいるんだよ」
「ここにいるよっ!」
言い切った私の目を、ジッと見つめる理都くん。
思考を巡らせているのか、たっぷり時計の秒針が1周したころ。
「……ほんとに、いいのか……?」
眉をひそめてかすれた声で問いかける彼に、私は力強くうなずいた。
人間を吸血することに抵抗があると言ってた理都くんだけど。
ヴァンパイアだって知ってるからこそ、協力できると思ったんだ。
「じゃあ……ここに座って……」
理都くんはゆっくり立ち上がると、今座っていた椅子に私を促す。
言われたとおりにそこへ座ると、理都くんの手が私のブラウスのボタンに伸びてきた。
「っ……」



