そう問いかけると、理都くんの眉がピクッと反応した。
やっぱりそうなんだ!
ヴァンパイアが貧血なんて、一大事じゃないの!?
もしかしたら、命に係わるかも。
そう思ったら、ためらってる場合じゃなかった。
「私の血でよければ、吸って?」
私は理都くんの前に回り込んだ。
怖いけど。
ヴァンパイアに血を吸われるなんて、自分の身に起きるとは夢にも思ってなかったけど。
これは、襲うとか襲われるとかとは、違うと感じたんだ。
これこそ“共存”だと思う。
「は? なに言ってんの」
鼻で笑う理都くんは、まったく本気にしてないみたい。
だからさっきよりも本気度をあげて伝えた。
「だって理都くんつらそうで……ヴァンパイアが貧血だなんて、致命的だよね!?」
人間だってつらいのに。



