「そういうのは優良な血統の末裔とか? とにかく僕たちが出会えるような界隈には存在しないでしょー」
手を洗い、びちゃびちゃと水を飛ばす世羅に顔をしかめる。
「もしかしてPrecious Blood狙ってんの!? やめときなよ。探してる間に寿命が来ちゃうよ。特に理都くんは──」
「わかってる」
ピシャリ。
俺は世羅の言葉をさえぎった。
世羅は大げさに肩をすくめると、
「とにかく、無理しない方がいいよ。次の授業は具合が悪くて保健室に行ってますって先生に言っとくから」
そう言って、トイレを出て行った。
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