「はー? どういうこと?」
疑わしそうな目を向けてくる世羅に向かって、話をそらした。
「世羅はPrecious Bloodに出会ったことあるか?」
すると、世羅は目を丸くして首を横に振った。
「あるわけないじゃん! てか、どこにPrecious Bloodの子がいるのか教えてほしいくらいだよ」
「……だよな」
「あんなの迷信じゃないの? 僕、相当数の女の子を吸ってきたけど、記憶が消せなかった子なんていないし」
記憶が消えないのとPrecious Bloodを持つ人間はイコールか。
ということはやっぱり水野はPrecious Bloodなんだろう。
あの甘い味といい、きっと間違いない。



