極上ヴァンパイアは、彼女を溺愛して離さない


「そ!契約するとその子の血しか吸えなくなるし、その子も他のヴァンパイアに吸われることもなくなる。一石二鳥じゃん」


ニコニコと正論じみたことを言ってるけど、そんな簡単なことじゃない。

契約とは、人間との血の取り交わしだ。

ひとりを吸血相手と決め、その人間は他のヴァンパイアに吸血されることはなくなる。

なぜなら、契約している人間を吸血したヴァンパイアは死ぬからだ。


その逆も。

契約した相手が、強引に他のヴァンパイアに吸血されるようなことがあれば、命を落とすと言われている。

そんなリスクのある契約をしたがる人間がどこにいるんだ。

恋人でもない限り無理だ。


「理都くん、好きな子いないの?」

「はあ? いるわけないだろ」

「モテまくってるんだからさー、彼女作ればいいのに」

「人間には興味ない」