その笑顔の下は悪魔だ。
いや、ヴァンパイアか……。
自分に好意を抱いている人間の血は、自分好みの味になるらしい。
きっと吸血する前に、得意の甘いセリフでも吐いてるんだろう。
「モデルのはなちゃん、メッチャおいしかったよ~。やっぱり可愛い子って特別おいしく感じるよね~」
知らねえし。
「俺は不特定多数の血が自分の体の中に入るとか、吐き気がする」
「理都くーん、それでもほんとにヴァンパイアなの~?」
疑うようなまなざしで、俺をのぞき込んでくる。
「……るせえ」
余計なお世話だ。
「だったらさ、契約しちゃうのが一番なんじゃない?」
名案!というように、世羅は人差し指を立てた。
「契約?」



