──っていうのが、先週の話。


はっ、と気づいたら、教室には私ひとりになっていた。

さっきまで、帰り支度をしている人たちでざわざわしていたのに。


今日は日直だったから、放課後残って日誌を書いている。

またぼけーっとしている間に、みんな帰っちゃったみたい。


それはそうと……。

理都くんの目が赤く光ったのが私の見間違いだとして。


“ヴァンパイア”


それは私たち人間に、わりと身近な存在なんだ。

というのも、今、日本には10万人にひとりの割合でヴァンパイアが存在してると言われている。

ヴァンパイアは怖い対象ではなくて、むしろ憧れの存在。

才能が人間離れしているため、それによって日本の経済は守られているんだとか。

大企業の社長や、エリート官僚の中にも多くのヴァンパイアがいるんじゃないかってささやかれている。

だけど、自らヴァンパイアだと公表はしない。