人間が食事を摂ることとイコールで、それが吸血ってだけで。
記憶を消せるなら、人間にも害はないはず。
誰かが言っていたみたいに、吸血された人間がヴァンパイアになることもなさそうだから。
「でも安心しろよ。お前は知らない間に吸われてることはなさそうだから」
そっか。
記憶が消えなかったんだもんね。
「あのっ、このことは誰にも言わないから!」
私は念を押すように言った。
理都くんのこれまでの生活が脅かされることはないよって伝えたくて。
「あっそ」
なのに理都くんの返事からは、安心感は伝わってこなかった。
自分がヴァンパイアであること、必死で隠してるわけでもなさそう……?
「あと……」
「なに」
「あの、ありがとう……っ、ケガを治してくれて」
恥ずかしかったけど、助かったのは事実だもん。



