すっかり腰が抜けて口をパクパクさせる私に、理都くんは冷静に問う。


「そ、それは……この間、理都くんの瞳が赤く光ったように見えて……」


うそぉ~~。
ほんとに予感が当たっちゃったの……?


「ああ、それで俺のことを観察してたのか」


謎が解けたような顔で言われ、私はこくんとうなずいた。


「で、でも、信じられない……」


理都くんがヴァンパイアだなんて。


「ここ、見て」


理都くんが指さしたのは、私の膝。さっきケガをして血が出ていたところ。

言われたとおり見ると。


「あれっ?」


まるでケガなどなかったかのように、すっかりもとどおりになっていたのだ。


……なぜ?

理都くんの顔に視線を戻し、ジッと見つめる。


「これが、ヴァンパイアの能力だ。ケガした箇所を舐めたら、傷をもとどおりにできる」