ここはコンクリートだもん、当然だよね。


「で、では、私は保健室に……」


きっと要先輩がいるはず。

魔法の手にあやかってこよう……と、立ち上がろうとしたとき。


「──待って」


パシ、と腕をつかまれた。


「……っと、」


再び、沈む体。

押さえつけられて立ち上がれなくなった私の目元に、理都くんがすっと手のひらをかざした。


え? なにしてるの?

視界が暗くなった中、膝に感じる違和感。


こ、これは……。
う、うそでしょ……。


「ちょっ、理都くん……っ!?」


私は思わずその手を払いのけた。

だって……だって……膝を舐められていたんだもん!


「……てか、なんだこれ……甘……」


理都くんは驚いたような目で私を見てくるけど……びっくりしたのはこっちだってば!!