心の底からそう思ったんだ。
理都くんは、さらに驚いたように目を見張って。
その直後、顔が赤くなったように感じた。
「ふっ……。てかアンタ、変わってんな。……まあ俺が黙って殴られるわけないけど」
「えっ?」
「あんなやつらにやられるほど弱くねえ」
そうなの?
「見ただろ? アイツらが尻尾巻いて逃げんの」
確かにそうだった。
私が転んでいる間の一瞬の出来事だった。
いったいなにが起きたんだろう?
「とにかく、理都くんが殴られなくてよかったぁ……っ」
心底ホッとして、顔が緩んだ。
「お前って……」
なにかを言いかけた理都くんの視線が私の足元へ。
つられて私も視線を落とすと、膝から血が出ていた。
「うわっ」
どうりで痛いと思ったら、転んだときにケガしちゃったんだ。



