正当な理由もないのに。いや、正当な理由があったって暴力はダメ。

民主主義の世の中は、話し合いで解決するべき!

気づけば、私は駆けだしていた。


「ちょっと待ってくださ……うわあっ……っ!」


なのに私ってばつまずいちゃって、その場に倒れ込んでしまった。

いったあい……!

前方には、コロコロコロ……と転がっていくゴミ箱。


ううっ、なんて有様……。

膝をつきながら顔をあげると。


「な、なんだよっお前っ……」

「こえーー……」

「行くぞっ!」


あ、れ、?

ついさっきまでと周りの様子が違った。

先輩たちの表情が一気にこわばったかと思うと、蜘蛛の子を散らすようにその場から去ってしまったんだ。


え、なにが起こったの……?

私は座り込んだまま、そんな状況をポカンと見つめる。