「そんなこと言ってくれるの、みーちゃんだけだよ~」
これと言った特技も特徴もなくて、ザ・平凡を絵に描いたような私。
みーちゃんは美人さんだし、一緒に街を歩くと男の子が振り返るほど。
私はそんなみーちゃんの隣を歩いているだけでも鼻が高いんだけどねっ。
「そうだ、私ゴミ捨て当番だった!」
週替わりでやってくるクラスのお仕事。
「一緒に行こうか?」
「大丈夫だよっ。すぐに戻ってくるね」
私は教室のゴミ箱を抱え、裏庭まで急いだ。
賑やかな校舎とは対照的に、ゴミ捨て場がある裏庭はひっそりしていた。
草はボーボーだし薄暗いし、昼休みにこんなところに来る人いないか。
急いでゴミを捨てて校舎内に戻ろうとしたとき、近くで物音がした。
「ん? 猫ちゃんかな?」