そうだとわかると態度を180度変えてノートをぎゅっと抱きしめる世羅くんは、ご主人さまに尻尾を振る子犬みたい。
なぜか、世羅くんと理都くんは仲良しなのだ。
仲良しと言っても、いつもつるんでるわけじゃなくて、お仕事で忙しい世羅くんを理都くんが気にかけてるって感じかな?
こうして、ノートを貸してあげたり。
たまに勉強を教えてる姿も目撃する。
交わりそうにないふたりなのに、とっても不思議。
チラッと理都くんを見上げると、目が合ってしまった。
……おお……。
いけないいけない。
私は肩をすくめながらゆっくり視線を外した。